原料皮による分類 | ||
○牛 | 量の多さ&質の高さが貢献し昔から幅広い用途で使われてきた。 牛は原皮のうち最も幅広く革製品に使われている。もともと飼育頭数がトップで 多い事(世界で約14億頭、ちなみに次に多いのが羊、11億4000万頭)、さらに採取される面積の大きさ、 (成牛で畳2枚分)も関係しているが、見た目に美しく丈夫という、革素材としてこの上無い特性を持っている点も影響している。 同じ牛革でも、性別や年齢、産地などによってさらに細かく分類される。 |
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カーフ | 生後6ヶ月以内の子牛で牛革のトップクラス。キメの細かで柔らかく、傷も少ない為高級革製品によく利用されている。 中でもエルメスの”ボックスカーフ”は有名。 |
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キップ | 生後半年から2年くらいの節の革は雄雌に関係なくキップと呼ばれる。 カーフに比べるとやや肉厚で、強度も増すキメの細かさでは劣る、カーフに次ぐ高級素材。 |
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カウ | 生後2年以上のメスの成牛革のうち、出産経験のあるもの。キメの細かさと厚さはキップとステアの中間。 ちなみに未産のものはカルビンと呼ばれカウよりも上質とされている。 |
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ステア | 生後3〜6ヶ月以内に去勢したオスで、生後2年以上経った成牛の革。 最も多く使われており、単に”牛革”と表記されていた場合たいていこれだと判断して間違いない。 |
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ブル | 去勢しておらず、生後3年以上経過したオスの成牛革。かなり厚手になり、繊維組織の粗さも目立つが、何よりも丈夫な為、 靴底、あるいは工業用革として重宝されている。 |
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○馬 | 他の部位は低強度だが尻は堅牢で厚さも抜群。 牛に比べると繊維構造が粗く、摩擦に対しての抵抗力も弱いため、靴のライナーやジャケットに 使われることが多い馬。ただしコードバンだけは別格。これはムチで打たれて堅くなった農耕馬のお尻の部分の事で、空気も通さないほど ガッチリからみあった繊維と、仕上げた際の美しい光沢が特徴。ただし最近は農耕馬の現象に伴い、大型馬のお尻の皮を、 タンニンなめし&光沢仕上げした革であればコードバンと呼んでる模様。 |
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コードバン | 本来は農耕馬の尻の皮を使ったもの。1頭から採れる皮のうち1割程度にしか満たず、滅茶苦茶希少。 繊維組織は蜜で、非常に丈夫、タンニンなめしにより、独特の光沢を得る。 |
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ホースレザー | ツルツルした手触りの硬質なコードバンに対して、ホースレザーと呼ばれる他の部位の革は柔らかい。 牛革と比べると密度や強度が低く、摩擦抵抗の面でやや劣っている。 |
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○豚 | 国内供給が可能な唯一の革素材。 原皮資源が乏しい日本だが、唯一豚皮だけは国内供給が可能どころか海外へも大量輸出している。 その特徴は、軽くて強く、耐摩耗性に優れ、銀面を生かした仕上げにすると、革表面に毛穴が3つずつ並ぶ。 なお、アメブタやベッカリーなどと呼ばれれるのは外国産の野豚。 |
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○羊 | 吸い付くような質感で手袋に良く用いられる。 強度や耐摩耗性は今ひとつの羊だが、極めの細かさや、柔らかさは抜群。しっとりと吸い付くような質感も愛され、 衣類や手袋に良く用いられる。 特に生後1年以内の子羊の革はラムスキンと呼ばれ、抜群に感触が優れるため高級手袋の素材として珍重されている。 |
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○鹿 | 鹿のセーム革だけが洗濯してもヘッチャラ。 今でこそ、他の動物から作られたものもセーム革と呼ぶが、もともとは鹿の皮をタラの油などの動植物油でなめしたものの事を指す。 柔らかで手触りがいいのに耐水性があり、洗っても堅くならず、伸びても元に戻るという特性をもっている。 手袋、自動車のガラス拭き、ガソリン漉しなどに良く使われている。 |
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○昆虫類 | クロコダイルとアリゲーターの違い。 皮革素材として良く知られているのは、ワニ、トカゲ、蛇の皮、いずれも哺乳類にはない独特のウロコ模様が特徴で、 これを生かして製革される。 丈夫で耐久性に富み、高級靴、草履、時計ベルトなどに使われている。 なお、ワニはアジア・アフリカ産をクロコダイル、アメリカ産をアリゲーターと読んで区別している。 |
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なめし法による分類 | ||
○クロムなめし法 | クロム塩(鉱物のクロムから作った溶液)を使ったなめし法。柔軟性、伸縮性、耐水性、耐熱性、染色性に富み、またなめし期間が短く 経済性に優れることから、現在最も多く行われているなめし法。 |
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○タンニンなめし法 | 植物(ベジタブル)の樹皮、葉などから抽出したタンニン(渋)でなめす方法。古くから行われてきたなめし法で、 型崩れしにくく、堅牢で、味わい深い革に仕上がる。タンニンの皮への浸透が遅いため、時間がかかる。 |
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○その他 | 混合なめし、油なめし、ミョウバンなめし、アルミニウムなめし、ホルマリンなめしなどがある。 | |
仕上げ法による分類 | ||
○素仕上げ調 仕上げ革 |
ほとんど仕上げ剤を使用せず、フェルトバフなどで艶を出して仕上げた革を指す。 | |
○グレーシング 仕上げ革 |
平滑性と光沢を与えるため、メノウ、ガラス玉などのローラーで銀面を重圧した革。 | |
○メタリック 仕上げ革 |
その名の通り、革でありながら、表面を金属のようなメタリック調に仕上げたもの。 | |
○アニリン調 仕上げ革 |
銀面模様の特徴がはっきりと出るように、透明感のある染料(アニリン)で仕上げたもの。 | |
○オイル 仕上げ革 |
クローム革を非常に油を含んだ感じに仕上げた革。靴のアッパーに良く使われている。 | |
○エナメル 仕上げ革 |
表面にツヤツヤした輝きを与えるため、仕上げにウレタン樹脂のコートが施された革。 | |
○顔料 仕上げ革 |
顔料などを使用して仕上げられた革。銀面の傷を隠す効果がある、塗装仕上げともいう。 | |
○アンティック 仕上げ革 |
ムラ模様などを付けた革。同じようなものにツートン仕上げ、アドバンチックなどがある。 | |
○撥水加工革 | 防水性や撥水性を与える仕上げ。最近脚光を浴びており、この分野の技術は日本がトップ。 |
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加工法による分類 | ||
○起毛革 | 起毛革=スエードと誤解している人は多い、また、この手の表面がケバたった革は、全部”裏革”を使ったものだと勘違いしている人も 読んでください。 |
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スエード | 革の裏面(肉側の面)を細かいサンドペーパーでバフがけし、ビロードのようなケバを持つように起毛加工させたものが、 良質のスエードとされている。 |
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ベロア | スエード同様、革の裏面をバフがけしたものだが、ケバがやや長い。スエードが主に子牛革などから作られる事に対して、 こちらは成牛革などの繊維がやや粗い革を用いる。 |
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ヌバック | スエードと異なり、銀面をバフがけして仕上げた革。バックスキン(大鹿革の銀面をバフしてスエード調に仕上げた革) に似ている事からこの名が付いた。スエードよりケバが短い。 |
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床ベロア | 床面をバフがけし、ベロア調に仕上げたもの(スエード調なら床スエード)。 なお床革とは、革を水平に2層以上に分割した際に得られる、銀面層以外の部分の事をいう。 |
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○スムースレザー | スムースレザーとは革表面をツルツルに仕上げたものの事。 銀面を活かしたものと銀面をバフがけして塗装仕上げしたものがある。 |
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銀付き革 | 銀面の自然な表情をそのまま活かした革。カゼインやラッカー仕上げされるものが多い。 美しい艶と優れた耐久性、快適な使用感が持ち味。傷の無い良質な原皮が用いられる。 |
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ガラス張り革 | クロームなめしした革を、ガラス板やホーロー板などに貼付けて乾燥、その後に銀面をバフがけし、表面を塗装したもの。 堅牢で、手入れが簡単という特性を持つ。 |
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○その他 | ||
エナメル革 | 光沢の良く出るウレタンなどの樹脂塗装を、表面にコートして仕上げた革の事。 パテントレザーとも呼ばれる、クロームなめしのカーフ、キップ、馬革などが用いられる。 |
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型押し革 | 銀面の表情に変化を持たせるため、加熱高圧プレスで型をつけたもの。 近年さまざまなものが登場している。 |
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シュリンク革 | 薬品を与え、熱を加えて縮めた革。縮革とも呼ばれる、銀面が収縮するためにシボが強調され、いかにも革らしい 風合いを見せる。鞄の素材としては比較的ポピュラーな部類。 |
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ナッパ | 本来は手袋や衣料に使われる羊や山羊の銀付き革を指す。 最近はクロームなめしをした牛革から作られた柔らかい革もナッパと呼ばれる事が多い。 |
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2012年09月15日